【オリラジアカデミー】禁断のテレビ史②【自分なりにまとめてみた】

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オリラジアカデミー『禁断のテレビ史』

 さあって、やってきました! 第一回オリラジアカデミー『禁断のテレビ史』後編!

ワン親方
ワン親方

うおおっようやくかよ!

前回の終わりが気になりすぎるぜ

 前編まだ、という方はコチラ>>からご覧ください。

 前回はオープニングから触れ、テレビの歴史を追いかけていくと同時に日本人の生活ぶりやその経済も追いかけつつ、戦後1950年代~1990年のバブル崩壊まで……バブル崩壊の詳しいことは語らず、で後編という流れでしたね。

 なので今回は改めてその90年代のバブル崩壊から、番組を振り返りつつ、まとめていきたいと思います。

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授業内容『禁断のテレビ史』2-①――失われたことをごまかし続けた30年

 平成の30年間、日本はずっと不景気だった。

 不景気不景気と言われ続けていたのは知っている。でもそれは他の国々もそうだったのではないか。自分たちだけではなかったのではないか。

 と、少しでも現実から目をそらしてきましたが、今回、中田さんにハッキリ言われて目が覚めました。

ワン親方
ワン親方

な、なんだよっ?

あっちゃんが何を言ったっていうんだ!

 ……アジアで日本だけ成長しなかった、と。

ワン親方
ワン親方

なんでそんなこと言うんだよおおん!

テレビの話だろ?

 前編を見るとわかりますが、テレビでの盛り上がりと日本経済はリンクしています。リンクしている、という見方もあるのです。
 これはしっかりと学んでおく必要がありますよね。

 ちゃんと現状をしっかりと理解して、未来へと向かうための材料にしましょう!

1990年代~バブルの崩壊とインターネットの足音

 91年に放送される番組がダウンタウンさんの『ごっつええ感じ(フジテレビのコント番組)』です。いつも色がちゃんと揃わないゴレンジャーとか好きでした

ワン親方
ワン親方

俺っちもこの番組なら知ってるぜ!

 とっても面白い番組でしたね。ですが実は同じく91年にバブル経済が弾けます。

 なので90年代ではあからさまにテレビ番組の内容が変わってきます。

 1992年に始まったのが『電波少年(日本テレビ)』です。背景がCGとなっているのが特徴ですが、電波少年はロケに行くようになります。スタジオでセットを組むのはお金がかかる。だから外に行こう! というわけですね

ワン親方
ワン親方

あれって予算のためだったのか

 90年代はいかにコストを削減しつつ、番組をヒットさせるか。それを工夫していく時代に入ります。

 その工夫の一つが『ロケ』に行く、です。ロケの時代がここから始まります。

 その流れをくんだ伝説のバラエティ番組『めちゃイケ(フジテレビ)』が始まります。こちらはロケ×コントというハイブリッドの番組です。
 同じ頃に始まった『SMAP×SMAP』にもコントがありますね。けど完全にコント番組というわけでもない。

 完全にコント特化にするとセットをいろいろと作らないといけないからお金がかかってしまうんでしょうね。

 めちゃイケの前、1964年には音楽番組『HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP(フジテレビ)』も始まっていますが、こちらはトークが目玉でした。派手なセットや中継はありません。

 今までテレビ史を追いかけていっていると不思議と、その時代時代を象徴する歌姫が存在するわけですが95年は『安室奈美恵』さん。彼女のファッションを真似る女の子たちがたくさんいて、社会現象となりましたね。

 でも95年で注目しないといけないのはそこではなく……Windows95です!

ワン親方
ワン親方

パソコンか!

ソリティアとかやってたぜ

 オリラジアカデミーでもマインスイーパーとかの話になっていましたね。カチカチとやっていた、と。……私もソリティアめちゃくちゃやってましたねぇ。……何が楽しかったんだろう、ホント。

 ただこのWin95が来たというのは、イコールでインターネットがやってきた、ということでもあるんです。ここはとても重要なポイントですね。

 この年代に入ってくると、テレビは一家一台ではなくなり、一家複数台……各部屋にある、というような状態になっています。

 すると広告主――スポンサーは思うのです。

世帯視聴率って、本当に現状を表してる? 個人視聴率を出してくれないか?
ワン親方
ワン親方

たしかに、世帯だけじゃ把握できない時代だよな

 一家に一台の時ならそれで良かったんですけどね。

 特にターゲットが限定される化粧品やお菓子の企業が、世帯視聴率に待ったをかけた。

 今でこそ男性化粧品も増えましたし男性が化粧してもおかしくない時代ですが、それでも男性の肌に合いやすかったり男性が求めるものと女性が求めるものは違いがあります。
 しかも当時の日本では化粧は女性がするもの、というのが一般的でしたのでなおさらですね。もちろん、芸能の世界とか化粧が好きな方はいたでしょうけども。

 また、お菓子もやはりどちらかというと若い世代が買うものというのもありました。

 そりゃ売る側としてはよりターゲットに刺さる時間、ターゲットが多く視聴している番組に広告を出したいですよね。

 さてここで問題です。視聴率というデータを取っている会社はなんでしたっけ?

ワン親方
ワン親方

え?

たったしか2社と契約してたんだよな?

ビデオリサーチとニ、ニ……ニー?

 そう! ニールセンビデオリサーチです。

 ビデオリサーチが電通やテレビ局が作った会社で、ニールセンはアメリカの会社でした。
 そして『個人視聴率が欲しい!』という企業に対して

???<br>
???

個人視聴率……出せますぜ、旦那!

ワン親方
ワン親方

誰だよお前っ!

 と、言ったのがニールセンでした。

ワン親方
ワン親方

今のニールセンかよ!

ニールセン?<br>
ニールセン?

※勝手な個人のイメージです

 ですが、ソレに対して渋ったのが電通やテレビ局。

 その結果として……テレビ局は『ニールセンとの契約を解除』しました

ワン親方
ワン親方

な、なんでだよっ?

 それはわかりません。が、悪い方向に推測してしまいそうな流れですよね。

 もともとビデオリサーチ社を作ったのも、なるべく自分たちにとって優しい数字を出すためではないか、と囁かれていました。そして新たな数字を出してくれと要求したらそれを渋り、広告主が求めている数字を出せるといった会社を無理やり締め出した。

 お金を出していない私ですら疑うのですから、実際にお金を出すスポンサーたちは目つきを鋭くさせて観察していたことでしょう。

ワン親方
ワン親方

そういや、個人視聴率とか言われ始めたのって最近じゃねーか?

 2020年にようやく個人視聴率出し始めるそうですが、それまでの約30年……個人視聴率はぼかし続けたわけですね。

ワン親方
ワン親方

さ、30年……こわっ

 いやほんと……なぜそこまで頑なに個人視聴率を出したくなかったんでしょう? 本当はすでに実態をわかっていたのではないか、なんて思ってしまいますね。

 90年代はコスパの良い番組づくりを行うとともに、実態に合わない視聴率を出し続けることで乗り切った年代と言えそうですね。

2000年代~テレビの創世記に戻る――とある不穏な数字

 2001年には、お笑い芸人にとってなくてはならないお祭りとなる『M-1グランプリ(ABCテレビ、テレビ朝日)』が始まります。

ワン親方
ワン親方

俺っちも楽しみに見てるぜ!

 さらに2003年『エンタの神様(日本テレビ)』、『アメトーーク(テレビ朝日)』と有名で人気の番組が誕生します。

 さて、ここで問題なのはこれらの番組には共通点があるということです。気づかれたでしょうか?

ワン親方
ワン親方

全部お笑いが関係してるぜ!

 そうですね! あたりです。

 では、登場している人たちは大御所でしょうか?

ワン親方
ワン親方

そうだなぁ。

若手がたくさん出ている番組なイメージだな

 90年代のテレビではロケが組み込まれていましたが、どうでしょうか。

ワン親方
ワン親方

今さっきの番組にロケのイメージはないなぁ

ネタをそのまま映すだけ……(ハッ)まさか

 面白いものを映すだけ……それは、そう! テレビ創成期の『スポーツを撮るだけ』であった頃に戻ってきているのです。

 面白いネタは持ってきてくれる。ロケはしなくていい。派手なセットもいらない。無名の若手や芸人だからギャラも低くていい。

 90年代のめちゃイケが70~80年代よりもコスパの良い番組であったはずなのに、そんなめちゃイケよりもさらにコスパの良い番組が出てきたのが……いえ。

 コスパをよくするしかなくなったのが、2000年代なのです。

ワン親方
ワン親方

そんな……でも、番組は面白かったんだぜえええ!

 私もエンタ大好きでよく見ていましたが、日本全体の元気がなくなってきたとハッキリ数字に出たのが2004年。日本の人口がピークを迎えます。
 つまり、子供が減っている。子供を生む人たちが減っている……それは生活の多様化もあるでしょうが、未来のことを考えると子供を生むのが怖くなったから、という見方もできます。

 自分たちの給料では子供は2人が限界だ……いや、1人も難しいかもしれない。

 人口がピーク、だなんて暗いニュースなはずですが日本人の多くはその数字の怖さに気づいていませんでした。
 私もニュースでみた時「そっかー」とか思っていました……まあ、まだ子供でしたけども。

 翌年2005年。ヘキサゴンというクイズ番組がヒットしますが、出演者は無名の方が多かったですね。あの番組きっかけで売れた方は多いですけども。

 2006年はニコニコ動画やYouTubeが始動します。YouTubeは2005年に作られていますが、この歳にグーグルに買収されて本格的に動き出すわけですね。
 この時、私は完全にニコニコ民でした……動画を流れていくコメントが楽しくて、PC前でずっと見ていました。
 そう、PC前。……まだヤツは来ていなかったんです。

 ですがですがぁっ! ついにヤツがやってきます。

ワン親方
ワン親方

な、なんだよ!
(ゴクリ)

 2007年……iPhone発売されるのです!

ワン親方
ワン親方

そ、それがなんだっていうんだよ!

 たしかに、この時点ではまだ影響は少なかったかもしれません。モバイルなPCとして凄まじい性能ではあったものの、回線はG
 1Gで電話が、2Gでメール(文字)が送れるようになり、3Gでは検索ができるようにはなっていましたがまだまだ回線は遅く、動画は見れませんでした。

 しかし、そう……回線は進化するのです。

2010年代~iPhoneと4Gの出会い……そして決着へ

 2012年……ついに3GからGの時代へと入ります。そしてこのGiPhoneの相性は抜群だったんです!

 4Gが来たことによって、私たちは『いつでもどこでも、動画が見れる』ようになったわけです。

 そしてここから様々な事が起きます。ちょっと一気に出してみますね。

2014年 笑っていいとも終了
2015年 スマホ普及率51.1%(2010年の普及率は4%)
2018年 めちゃイケ終了 TikTok上陸

ワン親方
ワン親方

いいともとめちゃイケ終わったの、この年だったか……

 そうなんですよね。私はただ時代に合わなくなったから終了したのだと思っていましたが、こうして広告の流れを見ていくと、それだけじゃないんだなと思えますね。

 めちゃイケは段々と面白くなくなったと言う方たちの意見を目にしました。テレビでハチャメチャなことができなくなった(コンプライアンス問題)というのもあるでしょうが、予算の問題は絶対にあったはずです。

 テレビが確実に右肩下がりになる中で、スマホの普及率は右肩上がり。たった5年で半数以上がスマホを持つ時代に……。

 しかしTikTokがやってきたの18なんですね。もっと最近かと思ってました。

 時代を作っためちゃイケが終わり、代わりにTikTokがやってきた翌年の2019年。

 ネット広告費がテレビの広告費をついに上回りました!

 時代がハッキリと変わったなという他のデータとして、小学生男子のなりたい職業の第一位が『YouTuber』だった、というのもあります。

 私達が子供の頃憧れたテレビの世界に憧れる子どもたちはいなくなっていたわけです。

 スマホ普及率は85%……もうほとんどの人がスマホを持っている時代になりました。

ワン親方
ワン親方

テレビが負けたっていうことか?

 少なくとも広告費では負けたということになるでしょう。

 ただネット広告の質はばらつきが大きく、低品質なものが多く見られますので、そこらへんはテレビの方が質は高いなと感じますけれど……。

 ただこの広告の出し方は日本のテレビで行われてきたこととは真逆です。世帯ではなく、個人に向けての広告を打ち出している……そのことがスポンサーに信頼された、ということなんでしょうね。

2020年代~最後の希望『東京五輪』とオリラジアカデミー

 やばいと思ったのか、2020年に入りテレビはようやく『個人視聴率』を出しました。

ワン親方
ワン親方

……今更すぎね?

というか、出せたのかよ

 たしかに遅いですし、個人視聴率を出せないのではなく、出したくなかったのがこの事実からも見えてきますね。

 なんとかそのことで盛り返したいテレビでしたが、最悪なタイミングで『コロナ』が来てしまいます。

 収益に期待していた東京五輪もコロナのおかげで無観客で行うことになり、思ったほどの収益は出ず……電通はついに2021年『本社ビルを売却』しました。

ワン親方
ワン親方

おうっ、それニュースで見たぜ!

 写真で見ましたけどすごい大きなビルでしたよね……売れるんでしょうか? なんて思っていましたが買い手はどこにでもいるものなんですね。

 今年2022年にはスマホ普及率は91%。

 日本のテレビとYouTubeの戦いは一旦決着ついた形で落ち着いているように見えますが、YouTubeはTikTokとの争いを始めていて、この戦いの行く末に関して、私達はしっかりと見定める必要があります。

 裏を返すとアメリカと中国の戦い、ともとれますからね。

 実際、今アメリカではTikTokを規制する動きもあるそうです……次の覇者はどちらになるのでしょうか?

 その戦いに日本が参戦できたら一番いいんですけど、今のところ難しそうですね。

 そしてそれはそれとして、中田さんは最後にこう言います

「今回のスタジオ、豪華ですよね……さて、それはなぜでしょう?」

 オリラジアカデミーが公開される前に、中田さんはトークチャンネルで番組のことを語っています。美術さんと番組のセットについてかなり綿密に打ち合わせして作り上げていった、と。

 画質がとても良いのでセットの質感も見えますが、たしかにかなり高級そうです。一見無駄にも見える廊下まで作り込まれていますし、生徒役の机の上においてある本も重厚感があって、手前にある柵? しきり? みたいなものの質感も良い感じです。

ワン親方
ワン親方

たしかになんかカッコいいよな!

ペラペラ感がないぜ

 中田さんはいくつかの動画で「YouTubeはテレビの高速トレースじゃないか、という仮説を立てている」という話をされています。そしてその仮説をもとに、今のYouTubeはこの年代あたりの流行じゃないか、と思っていらっしゃいます。

 どこらへんのことだと思いますか?

ワン親方
ワン親方

セットもそうだが、ゲストも無名ってわけではないし、

70~80年代あたりか?

 さすがです!

 そうなんです。もう「テレビ? 怪しいなぁ」≒「YouTube? 怪しいなぁ」の時代は過ぎています。

 YouTube動画の質はどんどんと向上しています。企業さんとのタイアップ動画なんてものも出てきていますよね。

 派手さ加減は、どうしたって以前の70~80年代とは異なります。なんといっても日本経済は下火ですからね。

 ですがその流れがとても似ているのは確かです。

 今回のテレビ史でただ知っただけでなく、それを活用して未来を見ていきましょう。

今までの流れを理解した上で、これからを考えよう!

まとめ

 ということで、【オリラジアカデミー】禁断のテレビ史②でした!

↓ざっくり広告の流れ↓

【自しん工房】オリラジアカデミー『禁断のテレビ史②』広告の流れ
【自しん工房】オリラジアカデミー『禁断のテレビ史②』広告の流れ

 YouTubeと書いてますが、ネット広告と思ってください。また、線の太さは適当ですのであまり深く捉えないでくださいね。

 とても興味深くて楽しい授業でした。
 動画内では全員仲良さそうなやりとりだったり、緊迫した雰囲気だったり、などもあるのでエンタメとしても普通におもしろいです。

 あえて記載しなかったところもございますので、動画をまだご覧になっていない方はぜひ見てください。近代史としても面白いです。

 では前後編と、長々とお付き合いくださってありがとうございました!

ワン親方
ワン親方

疲れたらしっかり休んでくれな。

じゃ、まったなー!


 こんなにも面白い授業が聞けるのはコチラ!
●『中田敦彦のYouTube大学』
【禁断のテレビ史①】メイキング
●『藤森慎吾のYouTubeチャンネル』
【禁断のテレビ史②】舞台裏

 合わせてみておきたい授業はコチラ!

●『中田敦彦のYouTube大学』
芸能事務所の現代史①】【芸能事務所の現代史②

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