仕事帰り、電車の待ち時間にと書店を覗く。ずらりと並んでいる本の中、とある本のタイトルに惹かれて手に取った。
そうして手に取った本のタイトルこそが、今回の記事のタイトルでありテーマです。
医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68 [ 牧田 善二 ] 価格:1,650円 |
著者は医学博士の牧田善二先生で、最初に出版されたのは2017年。少し前の本ですが、2018年の8月に第20刷目が発行。さらには2019年に第二弾が出版されています。
オートファジー生活を始めて6キロは落ちましたが、それ以降は伸び悩んでおりました。
全然減らない……どうしたものか。
何か間違ってるのかなぁ?
と思って、本来は「空腹こそ最強のクスリ」青木厚(アスコム)を買おうと本屋さんに行ったのですがこちらが気になったのでこちらにしました。
ちなみに「空腹こそ最強のクスリ」青木厚(アスコム)は
にて中田さんが解説されています。今回の書籍をしっかり読んだ後で購入予定です。
医者が教える「食事術」――最強の教科書
記事の構成です。
まずこの本を手に取ったことない方向けに、見た目、構成からはじまり、本の言いたい事(結論)について、肥満や老化の原因やメカニズムについて書かせていただきます。
詳細の食事術に関しては後日、別記事にて上げさせていただきますので、こちらを読んで納得された方はぜひそちらもご覧ください。
書籍の構成&概要
外観と内観
表紙はつるつるとしていますが、ぴかぴかと輝くような素材ではなく、ちょうどよく指に引っかかる感じです。載っている写真は目玉焼きと野菜の何かで、なんとも美味しそう。
ハードカバーではないので軽くて柔らかく、持ちやすいです。
本の中は白地に黒い字、淡い赤とシンプルな色合い。
「医者」「食事術」「教科書」といったキーワードからびっしりと字で埋め尽くされているイメージもしましたが、そんなことはなく。大きめの字とほどよい空間が開いているので目に力を入れなくても大丈夫。
今まで紹介した繊細さんや超集中力よりは文字数が多いように見えますが、本を読みなれている方なら全然問題ないですし、読みなれていない方にもおすすめできます。
ただ、イラストや写真はいっさいありません。時折データとして表やグラフが載る程度。少しくらいイラストがあってもよかったのではないかなぁ、と思いました。
ちなみになぜ外観から説明したかと言うと、私の場合はまず見た目の状態で読む気が起きるか起きないかが決まるからです。そうして中を読んで「行間詰まってて見にくいなぁ」「ほとんど文字無くてイラストばっかり(情報量が少ない)」「ちょうどいい文字数とシンプルな色合いだ」などと購入判断してます。
電子書籍派じゃない方の参考になれば幸いです(実際手に取るのが一番だと思いますが)。
構成
序章にて太るメカニズム……この本の主題である「血糖値」についての解説。
こうして太るから、不健康へと向かうから健康な体のためには糖質を制限するのが良い、というスタンスがこの本なわけですが、その「なぜ」糖質を制限するのかについてがっつりと書いてあるのが序章。
第一章では医療データから判明した食事や肥満に関する情報が載っています。なんとなく広まっている情報とは違う事も多数。肥満とカロリーが関係ない、脂肪は食べても太らない、という話は驚きました。
他にもおすすめの食物についてが載っています。最近私が食べているナッツ類もおすすめ食物の一つとして載ってました。食事術の基本が第一章です。
第二章以降は目的別の食事方法になっており、より痩せることに重点を置くなら第二章。老けない食事術なら第四章といった具合です。
- 第二章 痩せる食事術
- 第三章 パフォーマンス向上の食事術
- 第四章 老けない食事術
- 第五章 免疫を上げる食事術
第六章は長生きのための10のルール、といって食事だけではなく、健康に長く生きるための共通点やルールについて書かれてあります。
興味のある所から順番に読んでいい、とまえがきにて著者が言ってくれていますが、実際何処から読んでも理解できますし、一定の共通する項目がどの章にもあります。
本の表紙には食べ方68とありますが、68の中には被っているものも多いですし、「食事術」というより新情報の解説部分もあるので実際はもっと少ないように思います。
本の主題
血糖値をあげすぎず、下げすぎずをキープする(血糖値70~140)ことが健康につながる。
他にも古代から食べてきた自然由来のものを食べる(添加物を食べない)なども言われてますが、結局はそこに尽きるように思います(そもそも砂糖も人工的に精製されたもの)。
糖質というものはとらなくてはならないものですが、同時に体を肥満にさせ、老けさせ、病にさせる原因になるものでもある。
だからそれを意識しないといけない。
というのが何度も繰り返し語られ、血糖値を上げない(大きな上下をさせない)ための方法がたくさん載っています。
著者が糖尿病専門のお医者さんだからというのもあるでしょうが、とにかく『糖』について語っている本です。
血糖値が私たちにもたらすもの
ではそこまで著者が強く語る血糖値は、一体どのようなことを私たちの体内にもたらしているのか。
- 太る
- 老ける
- 病む
なんともイヤな単語3つが並びました。一つずつ見ていきましょう。
太るメカニズム
太る原因は糖質(≒炭水化物)。糖質ですからもちろんお菓子やジュースにも含まれていますが、これらを取ることで太るのであって、脂質をとるから太るわけではない。
でもみんなカロリー高いの食べると太るって言うよ?
と、反論したくなりますが医学は日々進歩しており、昔は正しいと思われていたことが今は違うことも多々存在します。医学以外にもそういうことはありますよね。
そして生化学という学問においては、太る原因は糖質だ、とハッキリわかっているそうです。
肥満は血糖値が上がるから起きる。
例えとしてお酒飲みのことが挙げられています。カロリーで太るなら、酒を好んで飲む人たちは全員が太っていないといけない。
お酒にも太るものと太らないものがあります。ウィスキー、ワイン、蒸留酒は太らない。ビールや日本酒は太る。――なぜか?
糖質がたくさん含まれているかどうかの違いです。
そして脂肪は食べても太らないのは、そのまま脂肪として吸収されないからです。人間の体は入って来たものを分解して別の物質へと変換します。脂肪として入って来たものは、食べ過ぎてもほとんどが便として排出されて体内に残らない。
それに対して糖質は100%吸収されるというのです。驚きですね。
でも理由を聞くと納得で「ブドウ糖は生きるために必要なため、貯蓄するようなシステムになっている」と。
ブドウ糖は大事だから、摂れる時に貯めておくぞ!
一日の消費に不要なブドウ糖は中性脂肪へと変わって体の中に貯金ならぬ、貯肪されていくのです。
脂肪じゃなくてお金を貯めたいよ
と嘆きたくなりますが、そうして貯められてきた脂肪が私の腰回り、手足についているというわけですね。これが全部お金に変換されたら中々の額になりそうなのですがね。
さらに嘆きたいことに、脂肪はなかなか燃えないということです。
なにせ「飢餓を生き抜くため」の体の仕組みとして蓄えているものですから、そうそう簡単に引き出させてくれないのです。
脂肪の引き出し(燃焼)をお願いしたいのですが……。
いやいやいや!
これはいざという時のための保険だから、そう簡単に引き出させ(燃焼させ)ないよ!
まずはグリコーゲンから使ってよ!
食事がとれない状態では、まず肝臓や筋肉に取り込まれていたグリコーゲンがブドウ糖に戻されて消費され、それを使い切ってから脂肪細胞の脂肪がエネルギーやブドウ糖に変換されていきます。
一番最初に消費されてくれないのが脂肪。
おかげで食べ物がなくても水があれば1か月生き延びられるわけですので、悪者扱いもできませんね。それに悪者は過剰に糖を摂取している自分自身でしょう。
過剰な糖分がなぜ太る原因なのか、私は見事に本に説得されてしまいました。
老ける原因AGEとは?
酸素とブドウ糖とは、生きていく上で必須なものです。なくなれば生きていられません。
ですが同時に、この二つが老化を呼んでいるのです。
酸素とブドウ糖が体の中で結びつくと、水と二酸化炭素とエネルギーが生み出されます。その過程で「酸化」と「糖化」という現象が生まれてしまうのです。
えっ?
じゃあどうしようもないじゃないか!
そう。どうしようもないことです。
しかし「酸化」は聞き覚えのある言葉ですが、糖化は中々聞くことのない単語です。これはたんぱく質や脂質がブドウ糖と結びつくことで劣化する反応のことで、「AGE(終末糖化産物)」という物質が生み出されます。
このAGEがいろいろと悪さをしてくるわけです。
著者は酸化が体がさびていく状態、糖化は体が焦げていく状態、と表現されていました。
人間の体は水分を覗けばたんぱく質と脂質でできているわけですから、ブドウ糖が余ればどうなるか。嫌な予感しかしませんね。
AGEはたんぱく質や脂質を変化させてしまい、それがシミや皺ができたり、動脈硬化を起こす原因となります。
これを防ぐためにはたんぱく質や脂質と結びつくブドウ糖が少なければいい。全くないと死んでしまいますからね。余るブドウ糖が少なければいいわけです。
ここでも「糖質制限」がキーワードとなります。
同時に、AGEの摂取量を減らせば老化を完全には防げなくても、その速度を遅くすることはできるのです。
AGEは体内でできるだけでなく、食べ物からも入ってきます。どういった食品に多いかの表が載ってありますが、同じ具材でも熱を通すと増えるのがAGEの特徴です。
生が一番AGEが低く、次に茹でる(煮る)、焼く、揚げる、となっております。揚げ物はAGEが非常に高い食べ物と言う事ですね。
ただ生だけで日々の食事は大変です。少しでも下げる方法は後編の記事にて詳しく載せさせていただきますが、お酢やレモンでマリネするとAGEを下げる効果があるので、積極的に使っていきたいですね。
酸化と糖化が第四章の肝となっています。
食生活が免疫力を破壊している
結構強い表現ですが、本の中に「現代人は間違った食生活によってその免疫システムを壊しています」とはっきり書かれており、それだけ生きていく上で食事は大切だと訴えたいのが分かります。
私たちの体に備わっている病気の芽を摘む「免疫力」。がんはその免疫力の低下によって引き起こされる病気の典型だそうです。
私は専門家じゃないのでよく分かってませんでしたが、分かりやすく載っていたのでそのまま一部掲載させていただきます。
私たちの体の細胞は定期的に新しくなっており、たとえば肝臓の細胞は60日に1度の割合で刷新されます。このとき細胞の遺伝子がコピーされますが、コピー機能は完全ではなく、まれにエラーが起きます。あるいは、発がん性物質などにらって外部から刺激されコピーを間違えます。
そうしたミスを見つけたときに、免疫力が働いていびつな細胞を除去してくれるために、私たちはがんにならずに済んでいます。ところが、免疫力が落ちていれば、チェックをすり抜け、おかしな細胞が増殖していくのです。
医者が教える「食事術」――第5章「なぜ病気になるのか?」より
免疫力は大事だとはもちろん分かっていますが、がんという病名としてこう説明されると、余計に大切さがわかりますね。
もちろん、がんだけではなく多くの病気が免疫力と大きく関係しています。
ぜんそくやアトピー、花粉症も免疫が正常に働かなくなってきているから起きていることです。
著者は糖質を過剰摂取しないように訴えていますが、以前(縄文時代)にはなかった添加物や農薬などを口にしないように、と繰り返しています。
人工甘味料、防腐剤、着色剤……いろんな名前で小さく載っているそれらをちゃんと理解して食材を選んでいるかと言うと、
何かよく分からないものがたくさん入っているなぁ。
まあ美味しそうだし良いか。
などとちゃらんぽらんに考えていました。何せ考えすぎると何も食べられないと思っているのと、知ると怖いからです。
昔、「買ってはいけない」という本が流行ったことがありました。テレビでも添加物の特集が組まれ、人気だった覚えがあります。
ですがいつのまにか「買ってはいけないを買ってはいけない」という論調になっていました。何せそれを気にしていては何も買えないし、高いし、生活できないから。
本当にそうなのでしょうか?
買ってはいけないモノを買わずに生活すれば健康的になって医療費も払わなくていいし、逆に安くつくかもしれない。
でも買ってはいけないモノを買ってもらえなければ、困る人たちはいます。売っている企業ですね。
ちなみにこの本、食事術に関しての本ですがこうした「添加物てんこ盛り」を売ろうとしている企業へ喧嘩を吹っ掛けている側面もあります(笑)。
そういった目線でこの本を読むのも面白いかもしれません。
話がそれましたが、間違った食生活は免疫力を壊してしまう。そしてその間違った食生活によって最もわかりやすい現象が肥満でしょう。
肥満は高血圧の原因ですし、病気以外にも膝が痛くなったりして、良いことはありません。
唯一の良いことは、食べ物がなくなった時に水があれば貯えた脂肪のおかげで痩せている人よりは長生きできるかもしれません。ですが何も食べられない状態が1カ月以上続く環境にいる場合だけですから、メリットよりもデメリットの方が大きいでしょう。
食事の改善の重要さ
ここまで読んでいただいて、その重要さは改めて知っていただけたと思います。
太るし、老けるし、病む……そんな負のスパイラルから抜け出すためにも、食事の改善を頑張っていきたい
ただ長くなってしまったので、具体的な食事術は後編にて記載させていただこうと思います。
中田さんの動画と同じ前後編!
もっとまとめようと思ったのですが、やはり間違った食事がもたらすことと食事の重要性はしっかりと語りたかったのでこうなりました。
すぐに食事術の内容知りたかったのに~!
と、期待してくださった方には申し訳ないです。しかし、ここ数日間「すぐにできそうなこと」から実践して体重が実際に落ちたのでしっかりとおすすめしたいのです。
運動と一日2食では74キロを切ることが出来ず、最近では76キロまで戻っていたのに73キロに落ちました。
運動の負荷は以前より下げ、食べる量自体もそう変わったわけではないのに、です。
……まあ、ここまで分かりやすい変化なのは私が肥満体重だからで、もっと細い方だとここまで劇的じゃないと思いますし、他に要因があるかもしれません。
なので後編では本に載っていることと、実際に行ったこと、行ってみた感想を交えてじっくりとお話しさせていただきたいと思いますので、少しお待ちください。
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