HSP――アメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が提唱している生まれつき繊細な人のことです。
私はずっと知りませんでしたが、中田さんの授業でこの言葉を知り、「あっ、私はこれだ」と納得しました。
そうして読ませていただいた書籍がこちらです。
「繊細さん」の本 「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる [ 武田友紀 ] 価格:1,324円 |
とても勉強になりましたし、気が楽になります。
自分もそうかもしれないという方はもちろん、そうじゃない方も知るために読んでいただきたい書籍です。
繊細さんの本
中田さんの授業でも詳しく話されていますので、本は苦手だという方は動画からぜひ。
私は動画とは違う観点でこの本と、その内容について触れていきたいと思います。
本の構成が優しい
こちらの本は、文章自体も優しい表現されているのですが、中身のデザインも優しくなってます。
行間や文字と文字の間の空間がしっかりと空いていて、それでいて幼稚な印象がありません。行間などは空けば空くほど子供っぽく見えてしまいますが、心地よい空き具合。
ぐわっと詰まっている本は目が疲れてしまうんですよね。もしかしたらそこも考慮されているのかもしれません。
あとは色合い。
解説系の本はカラフルなものも多いのですが、この本はシンプル。白地に黒い字、淡い水色(青系統)とグレーです。
カラーなものは確かに見やすい。ですがシンプルな色合いのおかげで疲れている時でも目が「ぎゃっ」となりません。
いや、目が「ぎゃっ」て何っ?
というツッコミが聞こえてきそうです。
カラフルな本は疲れている時に見ると、私にとっては鮮やかすぎて眩しいのです。なので疲れている時でも気楽に読めて嬉しいのです。
カラフルな本を否定しているわけではありません。つい最近もカラフルな歴史の本を買いました。やはりカラーで示された方が、理解度が低いものについては分かりやすいですから。
あと水色は集中を高めてくれる色でもあるので、余計に読みやすいと思ったのかもしれません。
イラストも、線がシンプルで、それでいて愛らしいものとなってます。表紙に載っているあの絵のタッチですね。時折入るこのイラストがまた分かりやすい。
イラストは好みもありますから、「この絵はあまり好きじゃない」方もいると思いますが、嫌悪感を抱くほどにはほとんどの方がならないのではと思います。
本全体のデザインが優しい、というのがおすすめのポイントの一つです。
五感対策
- 視覚
- 聴覚
- 触覚
- 嗅覚
- 味覚
繊細さんと一口に言っても、どの感覚がどの程度鋭いかは人それぞれ。
まずは一番鋭い感覚の対策を行いましょう。
人と話す時にどこを見て相手のことを把握しているか。普段、何が気になるか。それによってタイプが分かれます。
私はまず聴覚かなと思いましたが、一番鋭いのはと改めて聞かれると難しい。
裸眼視力は悪いですが、眼鏡をかけて細かいものを視界に入れると気になりますし、小さな物音に一々反応しますし、直感で「嫌だな」と思った物事や人が近くにいるとぞわっとしますし、家で出される料理の味がいつもと違うと分かりますし(そのせいか味見役を頼まれる)、臭いもすぐ感じ取って気分が悪くなることもしばしば。
味覚であまり困ったことはないので、味覚は弱めと考えてよさそうです。
悩みましたが、一番はやはり聴覚です。なので私が一番に対処すべきは聴覚ということになります。
皆さんも一度、何が最も気になるかをしっかりと把握してみてください。そして、対策をしてみましょう。
視覚
私のように裸眼視力が悪い方ならば、あえて度数を下げた眼鏡やコンタクトをつける、というのが一つの対策になります。
ただ私は「見えないのも怖い」ので、縁の太い眼鏡をお勧めしたい。これは目が良い方にも使っていただける方法で、もちろん書籍にも掲載されています。
縁がはっきりすることで見る範囲を限定する。それだけでも結構感覚が変わります。
カラーレンズにするのもいいですね。
ちなみに私はjinsさんのドライアイ対策用の横がしっかりと覆われた眼鏡にブルーライト対策用のレンズ(色が結構入っている)を使用しています。
見た目は花粉対策用に近いですが、花粉対策用よりフレームとの密着感が少ない(私の顔貌の場合)ので、圧迫されている感覚がなくて楽です。
普通の眼鏡よりさらに視野が限定されるのでおすすめしたい、ところですが少々慣れが必要ですし、ごつい見た目になってしまいます。
なので店頭などでかけてみて、無理そうと思ったら普通の眼鏡を使って、少しでも疲れないようにしてみてください。
眼鏡をかけて見える範囲を限定する(伊達眼鏡や度数を下げるでもOK)
聴覚
私が最も気になる聴覚。
メニエールになった時、耳鼻科で「むしろ聞こえすぎているのが気になる」と言われた私。どうやら聞こえすぎていて、メニエールの判断基準に達していなかったようです。メニエールの薬を頂いたら普通に効きました。
めまいがしていて耳鼻科に行ったけど「メニエールの傾向は出ているけどメニエールではない」と言われた方は、別の耳鼻科へ行ってみるのをお勧めします。
それはさておき、聴覚による刺激の対策です。
ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓の使用。イヤホンで心地よい音楽を聴く。
本に記載のノイズキャンセリングイヤホンや耳栓は使用したことがないので、詳しくは語れません。
ただイヤホンで心地よい音楽を聴く、というのは本当にそうだなと納得しました。
本を読む前から自然と行っていたのですが、電車やバス、人ごみの中はもちろん、静かな空間でも音楽を聴いているだけでホッとします。
えっ?
静かなところだったらいいんじゃないの?
静かなところは、余計に小さな音が響いて気になってしまうのです。休憩時間の休憩室で緊張しっぱなし、ということが今までは有りましたが音楽を聴くことで落ち着けるようになりました。
普通のイヤホンで音楽を聴くだけなので、試しやすいのもいいですね。
触覚
(触覚)
苦手な人の近くを通ると、
肌が何だか変な感じで違和感がある。
(肌がざわざわする)
場の雰囲気を肌から感じてしまう繊細さんは、服に守ってもらうのが基本。
肌の露出を減らす。心地よい素材で肌を覆う。明るい色の服やお守りを持つ。
君(繊細さん)を守ってみせる!
※イメージです
明るい色の服やお守りは、私は未実践です。基本暗めの色が好きで明るい色を着ないため、経験談はお話しできません。
ですが自分が心地よいと感じる素材の衣服に包まれているととても安心感があるのは分かります。寝具も気に入ったものに包まれることで穏やかな気持ちで眠れます。
夏、ごわごわしたタオルケットだと、それだけで落ち着かない気分になります。
ちなみにお守りとは、布で包まれた神社? でもらうものではなく、指輪やイヤリングなどでもいいそう。お守り代わりに身に着けることで楽になる繊細さんもいらっしゃるようです。
大切な人からもらったもの。思い入れのあるものなどを身に着けるといいかもしれませんね。
嗅覚
臭いで体調を崩すこともしばしば。
汗を始めとした体臭もそうですね。ヘアワックスや香水……他人のも自分のも気になります。
あとは工場近くやガソリンスタンド付近では、その時の体調次第では吐き気がするくらいに気になることもあります。
私が今働いている場所の隣が鉄工所で、そして逆隣が食品加工の工場。……鉄工所だけでもきついのですが、金属と油の匂いにおいしそうなパンやカレーの臭いが混ざった時は最悪です。
防ぐ方法は
マスク着用。好きな香りのハンドクリームや香水、ヘアワックス。アロマペンダント。
アロマペンダントなんてあるんですね。知らなかったのでググってみたら、いろいろなデザインもあって、シンプルなものを購入すれば職場でも気がねなく使えそうです。
私の職場はアクセサリーが禁止なので難しいですが……でも普段用に買ってみたいですね。
最近は気に入ったものを布マスクにスプレーしています。本当に軽くつけるだけでも好きな香りがするので大分違います。
自分に合う香りや方法を模索するために、お店へ行くのも楽しいですよ。
味覚
(味覚)
ファーストフード食べると体が重くなるんだよなぁ。
(味覚)
添加物多いものって、舌がぴりぴりしない?
と、味に敏感な方の対策はとてもシンプル。
刺激の強い食べ物を避ける。
まあ他にないですよね。
本には野菜を買ってきて自分で作ることや、余計な添加物を入れずに総菜を作っているスーパーを通いやすい範囲で探してみることを勧めています。
と、このような五感による刺激への対策をすることで、毎日気楽に過ごせます。いろいろなものが気になって、「気になり疲れ」をする方は、ぜひ一度試してみてください。
この本が伝えたいこと
これはとても分かりやすく一言です。
「自分のままでいいんだよ」
「気にしすぎだから、鈍感力を身につけなきゃ」「傷つきやすいから強くならなきゃ」「私は病気なんだ」
そう思わず、その繊細さを受け入れて、大切にしながら生きていこう。
なんて優しい!
本のテーマ自体がとても優しい。だからこそ文体なども優しいのでしょうね。
でもちょっと待って!
それだけで済むならなんでこんなにページ数あるの?
となるかもしれませんが、安心してください。それだけしか書いてないわけではありません……当然ですが。
この本には「繊細さん(HSP)」が自分らしく生きるための「方法(技術)」が載っています。
細かいことに気づいてしまう、見えてしまうというのは脳のシステムなので自分の意志ではどうしようもありません。なので「気づいてないことにする」「気にしないようにする」のは無理なわけです。
本では「気づいたうえで、それについてどう考える(どう行動する)といいか」が助言されています。
たとえば、
うわぁ、同僚の機嫌すごく悪そう。気になる。
あの時の私の挨拶に何か問題あったのかも。
と、思うだけでどきどきしてしまうことがあったら、
何か嫌なことでもあったの?
と、聞いてみましょう、と。聞いてしまっていいんだよ、と。
感じ取ってしまうがゆえに考えすぎて、その考えに囚われてしまうことが多いのも繊細さんの特徴。
ドキドキしながら聞いてみると、実は自分が考えていたことと全く違う事だった、実はまったく怒っていなかった。そういう経験をたくさん積みましょう、と。
自分の考えが外れているという経験を積むことで、「自分のせいだ」と負のスパイラルに入ることを防げるようになる。
そのような方法論、といいますか。「〇〇してもいいんだよ」と優しく肯定してくれています。
中田さんのyoutube大学ではそういった対人に関してのことが主にまとめられています。
なので私は対人関係ではなく、「五感」への対策について本の内容を踏まえつつ、書かせていただきました。
五感が鋭くて困ることは多いですが、同時に他の人には気づけない心地よいことにも気づくことができます。
気にしすぎではないんです。その感覚はとても大切なもので、否定しなくていいんです。気になることと、上手く付き合っていけばいい。
「自分はどうしてこんなにも気にしすぎてしまうのだろう」と悩まれているあなた。
「あの人はどうしてあんなにも気にするのだろう」と疑問に思っているあなた。
あなたたちの感覚はおかしくない。
とても繊細に感じ取る人がいていい。その人たちよりは繊細じゃない人がいていい。
自分も、相手も否定することなく自分らしく生きていくための助言が優しく載っている良い本でした。
この本との出会いに、感謝を。
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