22年のLaLa5月号が発売されました! もちろん『転生悪女の黒歴史』も掲載されていましたので、今回も感想やっていきますよ!
来たな。
前回は気になるところで終わっていたが。
【前回のあらすじ】
イザークの夢の中へとやって来たイアナ。
理想の世界ではなく現実へと変えるべくイザークの説得に成功し、2人が現実へと帰ろうとした時、世界が変質する。
それは「佐藤コノハ」がイアナになる前の「イアナ」の望んだ世界だった――。
前回をおさらいしたい方は死亡フラグ39を、さらに過去の記事は感想一覧記事をご覧ください。
イアナの過去
ここでおさらいなのですが、転生した佐藤コノハは赤子の頃からではなく、姉のイアナを殺すためのとある書物を読んだことで現代日本で生きた記憶を思い出しました。しかし、それ以前のイアナの記憶を持ってはいません。
今回、その空白の記憶を思い出すのです。
イアナ好きとしては「泣かないで―」と思うのですが、マグノリア夫人の手記を読んだイアナの脳裏に過去の出来事が駆け巡るのです。
そもそも、世界を滅ぼしてみた件、というタイトルにも関わらず世界は滅びておらず、むしろとても美しい世界でした。
イザークも「世界を滅ぼしてみたって言うけど滅びてない」「本当にイアナの世界か?」などと口にしています。
そういや、元々のイアナの意識ってどこに行ったんだろうな?
そこは謎ですね。
でも「転生」ですから、そのイアナの意識と佐藤コノハの意識は一つになっているのではないでしょうか。今回で記憶も取り戻しましたし。
でも今のイアナは完全に佐藤コノハだよな?
元々のイアナが「黒歴史」を読むことで弱り、そこで佐藤コノハの意識が浮上した……とか? 2つの全く異なる意識(人格)が存在すると支障が出るから佐藤コノハになっている、とか?
正直以前から転生より憑依の方が正しいのでは、と思っていましたが、今回の話で昔のイアナとコノハの関係を考えるとおかしくはないんだなと感じました。
詳しく見ていきましょう。
イアナ、思い出す――理想の世界は、同じ
それで?
イアナの過去ってのは?
昔のイアナは、コノハのことを「お姉さま」と慕っていました。2人は仲の良い姉妹でした。
しかし二人の母であるマグノリア夫人が亡くなってから、イアナは少しずつ変化を感じ始めました。
変化?
そうです。
周囲の皆がコノハばかり持ち上げ、コノハばかり心配する。そしてコノハが関わる事業は成功するのに……イアナが関わると必ず死者が出る。
え、し、死者?
そうなんです。
イアナが様々な対策を施しても、なぜか全部が全部、人が死ぬ。それを解決しようと悩んでいるイアナをコノハが励ますものの、そんなコノハも倒れてしまいます。飲んでいたお茶に毒が入っていたようです。
そんな出来事が続いて、周囲の人たちの目も厳しくなります。実験のために毒殺をした。自らの姉をも殺そうとした。
イアナは当然悩みますが、そんなときにマグノリア夫人の手記を発見して読んでしまうのです。
自分が死ぬ運命であることを、知ってしまうのです。だから……イアナが悪女になるために、イアナがどんな善行をしても悪女が行うべきことになるわけです。
そんなの、苦しすぎるぜ。
ですね。
冷静な第三者からするとあまりにもおかしすぎますが、幼い子供であるイアナからすれば悲しいことです。……もちろん、イアナ自身も疑問を抱いてなぜなのかと考えていますけれど。
そして本来ならば周囲にいる大人たちもイアナが行った慈善事業でそんなにも死者が出ることに対して疑問を抱き、調査しなければならないはずですが……。
父親の伯爵は一体何してるんだよ。
いや本当にそこが疑問です。娘に対する誹謗中傷に何の対処もしているそぶり無いですし……そもそも使用人たちのイアナに対する態度が悪すぎる。
それでいて、イアナの我儘を許容しているわけですから……本当に謎。
それはさておき、イアナが関わった出来事で必ず不幸が起きるのは敵組織(シュヴァルツ・レ・シュヴァリエ)が関わっているのでしょうね。さすがにイアナが関わった全てが上手くいかない状況は不自然です。
彼らは佐藤コノハが書いたとおりに世界を動かしたいわけですから、イアナを悪女にしなければなりませんし、イアナには死んでもらわなければなりませんからね。情報の操作(噂話)に関しても彼らが関わっているかもです。
不幸中の幸いは、マグノリア夫人はイアナのことも愛していた、ということでしょうか。
誰にも言えないと。愛する我が子「たち」を守らなくてはという想いが書かれてました。
ですが夫人はなくなってしまい、上記のようにやることなすくこと誰かの死を呼んでしまうイアナ。コノハ以外にイアナのことを信じてくれる存在は周囲からいなくなったのです。
どうして犠牲者が出るのかと悩み、必死に対策を講じていたイアナでしたが母であるマグノリア夫人の手記を読んで理解します。自分が……世界に憎まれている存在であることを。
泣きながら笑い、そんな運命なんか知らない。生きてやる、抗うと決めたイアナ。外は悪天候で雷が落ちている。
しかしそこにコノハがやってくると天気は晴れ渡り、笑うコノハを見上げたイアナは思うのです。
「お姉さまの世界って、綺麗――」
だから彼女は願ったのです。自分が死ななければ世界は滅ぶ。そんなこと受け入れたくないから、願った。
自分が生き続けた先の世界が、この世界よりも美しいものでありますようにと。
じゃあ、イアナの理想であるこの夢の世界は
とても平和で、美しい世界でした。
そしてその願いは、イアナになる前の佐藤コノハの願いと同じだった。美しい世界を願った自分自身と。
だから、佐藤コノハはコノハじゃなくてイアナに転生したのかな?
かもしれませんね。
イアナは自分に苦笑しながらイザークに問いかけます。私の世界、綺麗でしょ、と。
背景の花が美しいのに、悲しそうなイアナの表情に注目してこのコマをしっかり見ていただきたい。
イアナ、現実へ戻る
イザークは笑うイアナの言葉を遮り、分かっていると伝えるようにその体を抱きしめ「もう帰ろう」と促しました。
そして2人は、現実の世界へと戻ります。
コノハが愛する妹が目覚めたということでイアナに駆け寄るものの、記憶を思い出したイアナはどこか淡白に返し、その態度にソルが何かを感じました。
その後、イザークと二人で教皇様に報告に行こうとするイアナ。目覚めたばかりなのだからと言う周囲に首を振り、2人で行くと言う。
2人の仲がとても良くなっているのが分かりますね。
コノハたちから距離を置くようなその姿を、ソルは心配そうに見守ります。
しかしそこに教皇が自らやってきて、第三の試練内容の発表を国民の前で行う、というところで終わりでした。
まとめ
【前回のあらすじ】
イザークの夢の中へとやって来たイアナ。
理想の世界ではなく現実へと変えるべくイザークの説得に成功し、2人が現実へと帰ろうとした時、世界が変質する。
それは「佐藤コノハ」がイアナになる前の「イアナ」の望んだ世界だった――。
イアナは現代日本での記憶を思い出した時に、逆にそれまでのことを忘れてしまっていた。
しかし今回、イアナはそんな記憶を取り戻した。
悪女と言われていたイアナが望んだ世界。それは平穏で美しい世界だった。
世界から愛されているコノハと、コノハの周囲はとても美しいもので溢れていた。
自分が死ななければ世界が滅ぶというのであればそれに抗うと決めたイアナは願った。自分が生き残った世界が、コノハの世界よりももっと美しいものでありますようにと。
だからイアナの望んだ夢の世界は、とても美しかった。
そうしてイザークとイアナの2人は、互いの理想のことを知り、絆を深め、現実へと戻っていった。第三の試練を受けるために――。
というお話でした。
イアナは自分の意志とは別のもので悪女になった、か。
佐藤コノハが自分が愛される世界を作り、そのための悪役として生まれたのがイアナであり、そして物語の作り手が転生したのはそんなイアナだった。
今の佐藤コノハが入ったイアナには、世界を憎むことはできませんね。何せ……自分がそう描いたのだから。
イアナの過去が分かってすっきりした部分と、それでももやもやしている部分が出てきましたね。
でもさ。
今回の夢の世界の罠って、敵組織の策略だよな?
どういう意図なんだ?
イザークが標的と言うより、ターゲットはイアナだったのでしょうね。彼女の運命を教えるための。
故にそのまま起きない状態を狙っていた……のか。はたまた、その事実と向き合わせることでコノハとの距離を取らせる目的があるかもしれません。
実際、イアナはコノハに対して複雑を気持ちを抱くようになりましたかね。
この葛藤が第三の試練でどうかかわってくるのかが気になるところですね。試練の内容そのものも気になりますが。
う~ん~。
コノハってさ……本当に何も知らないのか?
どういうことでしょうか?
コノハのイアナに対する絶大な信頼や愛情って、ただ姉妹ってだけでなくさ。
予言のことも知っていて守ろうとしているんじゃって……。
……なるほど。そうとも考えられますが……コノハに関してはイアナ以上に謎ですからね。
そこらへんも後々分かってくる……のでしょう、たぶん。
ますますコノハが気になってきましたが、今回はここらへんで!
最終試練の内容、コノハとイアナの関係の変化が気になりますね。次号も楽しみです!
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
またな!
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