【里見☆八犬伝REBOOTとは?】
時は室町時代、南総の国。遠い昔に聖女・伏姫が封じたはずの妖鬼王・玉梓は復活し、再び人間を恐怖に陥れようとしていた。
そんな中、女性でありながら男並みの剣士として育てられた犬塚信乃は、世界の平和を取り戻すべく妖怪軍との戦いに立ち上がった。
父に託された破邪の剣‘村雨’を手に。
(里見☆八犬伝REBOOT 1より)
693円
作者は『よしむらなつき』。
『里見☆八犬伝(無印)』という作品があったのですが、そのリメイク?版です。無印ではかなりコメディよりでしたが、REBOOTは結構シリアスです。
そしてこちらは滝沢馬琴の南総里見八犬伝が元ネタとなっています。忠実にコミカライズというよりは、設定を使用しつつよしむらなつき先生のオリジナル作品という感じです。
現在無印版(未完)はマンガ図書館Zにて無料公開されていますので、気になった方は読んでみてください。
また、REBOOTの最新話はコミックガンマで読めます。1話と2話も読めます!
感想を述べる際にどうしてもネタバレが含まれてしまうため、ネタバレ避けたい方はご注意ください。
里見☆八犬伝(無印)と里見☆八犬伝REBOOTの違いとは
以前と同じなら、改めて買う必要ないよな?
ソレが結構変わっているのです。
絵柄もそうなのですし、最初に上げた「シリアス度」もそうですし、キャラクターの細かい設定なども変更が加わっています。
以下、その変更点をまとめてみます。
- キャラクターたちの死が確定して描かれている人物たちもいる
- キャラクターたちの背景が中々重い
- 見た目や設定が大きく変化したキャラクターもいる
- 上記の変化+関係性の変化
などでしょうか。
中々不吉な単語が並んでいるなぁ
元々のネタ『南総里見八犬伝』自体が結構暗いお話でもあるので、ソコにある意味で近づいた感じですね。話の大筋は違いますが。
変化を5つ上げてみましたが、これをさらに2つに分類させると『キャラクターの生死』『設定の変化』になるでしょうか。
キャラクターの生死
無印版ではキャラクターが死んだーという描写は一切なく、コメディだからですべて通じるような世界観です。
そのコメディ感がとっても面白くて大好きでした。
REBOOTでは生死がぼかされた登場人物たちも多いのですが、ハッキリと描かれている人たちもまた多いのです。
主人公の志乃の父親はぼかされているものの、流れからして生きて出会えることはないでしょう。
ですが他の登場人物たちではその死がハッキリと描かれている人たちも存在します。というか、かなり多くいます。
無印を知っている身としては、かなり驚く展開です。
見るのが、今から怖いんだが
そうですね。正直苦しい、と思うところもあるのですがこれはこれで面白く……続きをめくるための指の動きが止められませんでした。
ぜひ、彼らの生き様を見ていただきたいと思います。
設定の変化――描かれる登場人物たちの物語
無印ではメインキャラクターたちの背景はあまり描かれてはいませんでした。
そこに設定(過去)が追加され、彼らの物語が描かれています。
その設定のため、現八や小文吾が幼なじみという関係性ができていました。
現八の性格も少々変化しましたが、何よりも小文吾がとあるものに变化するという設定が付け加えられており、見た目もだいぶ変化してます。
殆どのキャラクターたちの見た目が変化しない中、彼だけが大きく変わってますね。現八も違うようにみえるのですが、絵柄の変化かなぁっという感じなのに対し、小文吾はあからさまに違います。
また親兵衛もだいぶ違います。
無印では完全に赤ん坊でまだ戦士として戦えない状態でしたが、REBOOTでは頼もしい仲間として活躍してくれます。
設定という点では、術師の大角も変わっています。奥さんがいるのは変わらずですが、その奥さんとのお話が……なんともまあ、アレな感じで……胸に来ます。
毛野の物語もまた……彼の苦悩が伝わってきて、その先で出会った信乃との関係は無印とは同じようでいて、その過去の設定があるがゆえに違ったものに思えてきます。
物語において特に重要な荘助の設定も変わっています。ここはかなり根幹のネタバレになるので詳細は語りませんが、無印での彼は完全にギャグキャラで、今作でも場を明るくしてくれる人物ではありますが、かなり格好いい感じになっています。
ただ、私としては道節が好きなので、もっと彼に活躍して欲しいですね。無印では道節は完全にギャグキャラの1人で、出番は少ないものの出たら信乃にツッコミいれられていて、大笑いさせていただいてました。ミニ道節とてもかわいかったです。
REBOOTではシリアス一辺倒で純粋な(?)イケメンキャラクターになっています……シスコン部分は変わってないみたいですが、信乃との関係性が変わっているのも興味深い。
一番性格が変わったのは道節でしょう、間違いなく。
また、メインキャラクターだけでなく妖怪たちの過去や苦悩も描かれます。ここもまたREBOOTの魅力ですね。
まとめ
コメディがだいぶ減り、登場人物たちの死もはっきりと描かれたり、各キャラクターの深堀りがされていたりと、無印版とはだいぶ異なるREBOOT。
シリアスが苦手な方は無印の方が好きだー、という場合もあるかと思いますが、私は各キャラクターたちが好きなのでとても楽しんで読んでおります。
死があるって聞くと、ついつい読むのが辛くなるが
どうじに気になってきたぜ……うぅ、どうしよう
キャラクターの死が苦手な方は未完結ではありますが、無印版だけでも読んで見られると良いかも知れません。絵柄はだいぶ変化していますが可愛らしいのは変わらずですし、ノリもテンポも良いのでとても読みやすいと思います。
そしてシリアスなのが平気という方はREBOOTはもちろん、ネタもとになった滝沢馬琴の南総里見八犬伝を読まれてみるのもいいかもしれませんね。
同じ八犬伝というタイトルなのに、ぜんぜん違うことに驚くかも知れませんが(笑)。
では、ここまでお読みいただきありがとうございました!
俺っちはシリアス苦手だから、ひとまず無印読むぜ!
じゃあ、まったなー!
そんな笑えたりうるっときたりする真剣な妖怪とのバトルマンガ『里見☆八犬伝』はコチラから!
693円
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